プロセスを定義して得られるもの

QCDの達成に苦労する?

仕事には必ず要求されるのが、QCDの目標を達成することですが、
これが、意外に難しく、苦労を重ねることでやっと達成できる
ということも結構あるものです。

しかし、ギリギリで間に合うのは、実は間に合ったことになりません。

見かけ上のコストは、計画どおりだったとしても、見えないコストを
消費しています。それは、担当者に負荷をかけてしまったことです。
負荷がかかると、体力と精神力を使います。
余計な力を使ったために他の仕事への影響があるかもしれません。

それよりも心配なのは、担当者が会社や組織に対して不満や不信感を抱いてしまうことです。
近い将来、この担当者は会社を辞することになってしまうかもしれません。

ギリギリで何とかなった場合、その時は「ああ、良かった。間に合った。」と思っても、
実は、未来からコストを借りて実現しただけなのかもしれません。

 

簡単な話なのに、QCD達成が難しくなる理由

特に苦労することなく、あたりまえにQCDを達成できたら、
売上も利益も計画どおり、
担当者に過大な負荷がかかることはなく、
有給休暇も思いどおりに消化することができる。

経営者も従業員も幸せを感じながら働くことができるのではないでしょうか。

QCDを達成するのは、実は簡単なことで、
1.達成可能な計画を立てる
2.計画通りに実施する
これだけです。

逆に言えば、QCDに苦しんだり達成できなかったりする理由は、
1.そもそも実現不可能な計画になっている
2.計画通りに実施できていない
このどちらか、または両方ということです。

どうして、実施できない計画にしてしまうのか?
どうして、計画通りに実施できないのか?

これらの理由、原因をつきとめて、それを解消することができれば、QCDに関する問題は解決します。

会社や組織により事情が異なりますので、一概には言えませんが、一般的には次のような理由、原因があると考えられます。

■実現不可能な計画を立ててしまう理由
・正しく見積ることができていない
・管理可能なレベルの計画になっていない
・リスク管理ができてないか不十分
・実施項目を実施する順番が適切でない
・実施項目に漏れがある

■計画通りに実施できない理由
・進捗を適切に管理できていない
・実施中に発生する問題に対処できない
・完了基準が明確になっていない

 

プロセスを定義すると

これらの理由を無くして、あたりまえにQCDを達成できる状態にする方法があります。
それが、仕事の進め方(プロセス)を定義することです。

どんな会社や組織にも、うまくできた例があるはずです。
うまくできた時のやり方を、他の仕事(プロジェクト)にも適用できるレベルに抽象化して、プロセスとして定義します。
定義したプロセスに沿って仕事を進めれば、うまくできた時のやり方で実施できるので、成功する確率が高くなります。

プロセスとして定義するのは、たとえば、次のようなものです。
・効率が良い
・間違いが発生しにくい
・発生した間違いを見過ごさない
・明確な品質基準
・リスクへの対応
・進捗状況を正確に判断できる
・異常事態や緊急事態へ対応できる

成功例を水平垂直に展開して、すべての仕事(プロジェクト)を成功させるのがプロセスを定義する目的なのですが、その結果得られるものは、
・担当者のスキルに依存しないでQCDを達成する
→事業計画通りの売上と利益を得ることができ、業績が安定する

・特定の担当者に負荷が集中することがなくなる
→社員満足度が向上し、離職率が減少、採用コストが最小になる

・仕事の成果を定量的に計測することができる
→公平な評価制度を構築するための基礎となる

・定量的な指標を用いて仕事のやり方を改善することができる
→ますますの会社の成長につながる